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興味の向くまま読んだ本の書評と映画の話

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走ることについて語るときに僕の語ること
走ることについて語るとき僕の語ること
村上 春樹  文藝春秋

 小説家であり、長距離ランナーである村上春樹が、自分自身について語った。

 いわば、彼の信条、そして哲学ではないだろうか。

 私自身は彼の作品を何冊も読んできたが、特に初期のものは何とも言えぬ不思議な感じがそれまで読んだ他の作家とはかけ離れて魅力的に思えて夢中になったが、この本は、作家&ランナー村上春樹を最も身近に感じさせた。

 よく言われる「作家」のイメージからは遠くストイックな生活を送る村上さん。この本の語り口同様、よく抑制された、それでいてじっくりと粘り強いランナー人生(これはまぎれもなく作家活動のメタファー)、暮らしぶりに、私は好感を持った。


 実は、この本を買ったのはずっと前。気持ちの落ち込みをきっかけに、本棚から持ち出した。
 村上さんにして、これだけのことをしている。私が、もっともっと精進すべきなのは当たり前すぎますね。




走ることについて語るときに僕の語ること走ることについて語るときに僕の語ること
(2007/10/12)
村上 春樹

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帝国的ナショナリズム
帝国的ナショナリズム 日本とアメリカの変容
大澤 真幸  青土社

 オウムの存在、マルチストーリー・マルチエンディング・ゲームなど、これまで自分の中にはなかった視点は興味深かった。

 それでもやはり、一番おもしろく読んだのは、書名にもなっている書下ろしの「帝国的ナショナリズム」。
 人民を国民国家に統合するよう作用する古典的ナショナリズムと、様々な生活様式に特徴づけられる小共同体へと分解するよう作用する現代的ナショナリズム、という考え方に驚き納得した。

 アメリカの、一見、矛盾する政策については、依然、疑問をぬぐいきれないのだけれど、国家というものは、私が考えるよりずっと複雑な動きをするものらしい。

 考え考え、ゆっくり読んだ。


帝国的ナショナリズム―日本とアメリカの変容帝国的ナショナリズム―日本とアメリカの変容
(2004/11)
大澤 真幸

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最後のプルチネッラ
最後のプルチネッラ
小島 てるみ  富士見書房

 最高の喜劇役者に与えられるナポリの称号「最後のプルチネッラ」をめざし、ふたりの少年が競い合う。いわばサラブレッドと下町で育つ雑草タイプ。いつしか友情を育みつつ、成長し、プルチネッラに近づいていくていく。

 物語はもうひとつ。
 紀元79年のナポリでスタートする。道化が「ご主人様」から次々と奇想天外な「人生」を与えられ、転生する。

 ふたつの物語が、ナポリの町で重なっていく。

 楽しいファンタジーの仮面の下に、心に迫るエピソードがちりばめられた一冊。



最後のプルチネッラ (Style-F)最後のプルチネッラ (Style-F)
(2008/04/03)
小島 てるみ

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ジェイン・オースティンの読書会
ジェイン・オースティンの読書会
カレン・ジョイ・ファウラー  白水社

 まずは、タイトルに惹かれてしまった。

 いいなぁ、私も仲間に入れてほしい。・・・でも、オースティンは映画化されたのを観ただけだったっけ。それでも「オースティン好きも、まだ読んだことのない人も楽しめる」といったどこかの書評に励まされて読んでみた。

 月に一度、オースティンの1冊を選んで集い語り合う6人(ちなみに女5:男1)。「この物語のあの人は」と、当然ながら登場人物評が語られるのだが、この本のメインはむしろ6人の心模様を描くこと。読書会の場面と、生い立ちや思い出のシーンが、幾度となく交差する。

 「私たちはそれぞれ、自分だけのオースティンをもっている」

 やはり私の心をとらえた書き出しの一行に、読み終えてまた立ち戻る。
 ひとつの出来事も、人によって微妙に違って記憶される。自分だけの思い出。そして、自分だけのオースティン。

 オースティンを読んで、もう一度この本を読んでみたい。やっぱりその方が、何倍も楽しめそうだもの。
 そして、自分だけのオースティンを見つけて、だれかと読書会で語り合えるといい。




ジェイン・オースティンの読書会ジェイン・オースティンの読書会
(2006/01)
カレン・ジョイ ファウラー

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ルポ 貧困大国アメリカ
ルポ 貧困大国アメリカ
堤 未果  岩波新書

 書いてあることの半分か3分の2くらいは、これまでに見聞きしたものだった。でも、それでもやはり、戦慄せずにはいられない。「規制緩和」「民営化」・・・よく考えよう!やっていいものとよくないものがある。




ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)
(2008/01)
堤 未果

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